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となりのこたろー。さん

となりのこたろー。さん

核兵器廃絶

核兵器が現在まで廃絶されなかったのは、以下のような理由によってであると考える。

冷戦期、1.東西間の緊張が高まると反核の国際世論は高まるが、緊張の故に両者の軍縮をめぐる話し合いは進まない。2.緊張がゆるむと世論の関心が環境問題など別の問題に移行し、反核世論が低下して、国家間の協議も進まない。というジレンマである。



さらに、冷戦期から現在への核兵器をめぐる変化を3つ挙げる。

1.テロ組織が核兵器を手にしかねなくなったこと

2.5大国に加えて、核保有を目指しているであろう国が増えていること

3.アメリカが小型核兵器という現実に“使える核兵器”の開発を始め、通常兵器との境界が近接してきたこと



 冷戦期における国家間の核軍備競争の論理的根拠は、抑止論である。これは、一方が使えば他方も使うということが判っているからどちらも使えないという恐怖の均衡の上に成り立っている。しかし、自爆覚悟のテロリストにこの相互抑止は通用しない。広島・長崎のあとで、実際に核兵器を使う度胸の据わった国家はまず存在しえないし、そのような国家は国際社会で生存することが難しいが、テロリストの世界では、テロリズムがエスカレートすることが常であることを考えると、いったん誰かが使用したら後に続く者が現れるのは明白である。現実に、核保有を目指す発展途上国やテロ組織が、実際に核兵器やその部品、技術を手にしかねない闇ルートは確実に存在する。さらに、冷戦が終わってふたを開けてみれば、核兵器に関してアメリカの一人勝ちは明白である。よって、抑止論による核兵器保有の正当性はもはや失われてしまった。核兵器は、無用の長物の上に、非常に厄介なモノになってしまったのである。

 核兵器の管理体制を強化し、新たな核保有国の出現を封じ、テロ支援国家を作らないようにする、といった国際的な努力が必要だと誰もがいうが、それよりもこんな物騒なモノを人類が持たないようにした方が根本的解決になるのは、誰にでも解ることではないだろうか。



 最後に付け加えるが、日本の技術をもってすれば、核兵器を無から完成させるまでに2週間も要しない。


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